PDR17's barca-watchbook

ペップバルサに魅了されて早10年。バルセロナのこれまでとこれからを徒然と書いていきます。

時間とスペース

フットボールとは"時空"」

「重要なのは、スペースとタイミングを理解すること」

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バルサのレジェンド、シャビ・エルナンデスの言葉である。

時間とスペースを支配することこそが勝利のカギである、ということだそうだ。

 

 

 

そしてシャビは今シーズンのバルサについてこう語っている。

バルサUEFAチャンピオンズリーグ(CL)やリーガで優勝した時、僕らは試合を支配してきた。それが歴史が伝えてくれることなんだ。僕たち(バルサ)は今、ゲームを支配できていないんじゃないかと思う」

 

 

バルセロナ、そしてスペイン代表の黄金期を支え続けた彼の言葉は、自らのアイデンティティから遠く離れてしまった現在のバルサに重くのしかかる…

 

なぜこんなことになってしまったのだろう?

どうすればバルサは再びゲームを支配できるようになるのだろう?素人ながら少し考えてみようと思う。

 

 

①:監督の問題

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2年連続の大失態でクレからの信頼がほぼゼロになってしまったバルベルデ

支配力の低下をバルベルデに求めるべきだろうか?

 

 

私の回答はNOである。

もちろん、バルベルデの戦術は受動的で保守的で、目新しさの欠片もない代物であることは間違いなく、あまりに堅実なサッカーをし過ぎていて、自分が見ているのがあのバルセロナの試合だとは信じられなかったことが一度や二度ではない。

しかし、バルベルデは果たして好きでこのようなサッカーをしているのだろうか?

私は違うと思う。

バルベルデもクライフの教え子である。ゲームを支配し、相手を圧倒して勝ちたいと思っているに決まってる。

 

では、なぜこのようなサッカーを選択せねばならないのだろう? 

 

理由は単純で、勝利のため、である。

 

いかにバルセロナとはいえ、美しいサッカーを目指して戦ったがために負け続けることを許すようなクレがいるだろうか?ましてや史上最高の選手を擁するチームが、である。

 

勝利するためには、ボールを保持しゲームを支配するのでなく、44でブロックを組み、メッシスアレスで叩き潰す方法が現在のチームには最適である、とバルベルデは結論づけたに違いない。

現に、昨季は二冠、今季は三冠まであと一歩という所までは行けた。

 

しかし、シャビが言うように、ゲームを支配できないバルサは、最後にしっぺ返しを食らうことになるわけだが…

 

では、本当の問題点はどこにあるのか?

バルベルデが勝利のために、このような方法を選ばざるを得なかったのはなぜだろう?

 

 

 

 

②:歪な選手構成

 

ところで、私は、サッカー選手は大きく2つに分けられると考えている。

スペースを生み出す選手と、

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スペースを生かす選手だ。

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たとえスペースを生み出しても、それを生かしてくれる選手がいなければ何も起きず、

逆にスペースを生み出せる選手がいなければ、それを生かすことはできない。

 

 

両者を比べると、圧倒的にスペースを生み出す選手が希少であり、重要であり、その力を持った選手がどれほどいるかが、勝敗に大きな影響を与えるといってもいいだろう。

 

とはいえ、両者は持ちつ持たれつであり、それぞれが良いバランスで構成されていてこそ、強いチームが生み出されるというものである。

(もちろん両方の力を兼ね備えたスペシャルな選手も存在する。)

 

 

では、現在のバルサのことを考えてみよう。

 

確かに、スペースを生かせる選手は山ほどいる。

メッシ・スアレスはもちろん、アルバとセルジの両SBをはじめとして、ラキティッチビダルのインテリオール陣、そしてコウチーニョもこちら側の選手だろう。(コウチーニョのために皆がスペースを作ってくれるリバプールやブラジル代表での活躍でお解りかと思う)

 

しかし、スペースを生み出せる選手はどうだろうか?

 

考えてみてほしい。

 

狭いスペースに入り込んで相手を引き付けて息ができる選手がどれほどいるだろう?

 

ドリブルで相手をかわし、味方のために有利な状況を作れる選手がどれほどいるだろう?

 

相手の裏をかくパスで、味方に数秒の余裕を与えられる選手がどれほどいるだろう?

 

 

 

 

 

メッシ、メッシ、メッシである。

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話を戻そう。

現在のバルサの最大の問題点は、生かされることに長けた選手が多いにもかかわらず、時間とスペースを生み出すことができる選手があまりに少ないこと、つまり歪な選手構成にある。

 

バルベルデが現在のような戦術を採用せざるをえないのも、このことが大きな原因だ。

 

 

大抵の問題はメッシという神が解決してしまうからこそ、表面上では大きな問題に見えないが、強大なライバルが相手ではそれが露呈してしまう、というわけだ。

 

 

③:来季に向けて

バルサの肝は誰がなんと言おうと中盤だ。

今季はその中盤に、スペースを生み出せる選手が存在しなかった。

ラキティッチビダルはグレイトな選手ではあるが、自らスペースを生み出し、コントロールできるようなプレーヤーではない。

我らがブスケツは、今季別人がプレーしていたと言われても驚かないぐらい酷いシーズンを送った。

アルトゥールは希望の光だが、動き過ぎが玉に瑕で、逆にスペースを消しかねない。

 

 

では、来季再びバルサがゲームを支配できるようになるためにはどうすればいいのか?

 

 

答えは簡単だ。原点回帰。これしかない。

中盤に時間とスペースを生み出すことができる選手を起用する。これだけだ。

 

 

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頼むぞフレンキー。

 

 

 

 

 

 

 

 

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リキもたくさん使ってねバルベルデ